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9/16|犯罪学――「保護司」って聞いたことありますか?|横山 ゆみひこ

9月16日
読了時間: 8分

【この記事のポイント】

・保護司は、犯罪をした人や非行のある少年の立ち直りを地域で支える民間ボランティアです

・法務大臣から委嘱される非常勤の国家公務員で、専門職である保護観察官と協働して保護観察や生活環境の調整などに携わっています

・2026年1月1日時点の保護司は全国45,033人。前年から1,010人減少し、担い手の減少と高齢化が大きな課題になっています

・2024年の保護司殺害事件などを受け、自宅以外の面接場所の確保や複数担当制など、「支える人をどう支えるか」という安全対策も進められています

・『丸ちゃん教授のツミナハナシ 市民のための犯罪学』を読み、犯罪をした人の社会復帰、被害者への支援、そして地域で「やり直し」を支えることについて考えました。

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私は高校生くらいまで、ほとんど読書をしていませんでした。

それが大学受験?をきっかけに本を読むようになり、そこからすっかり「読書の虫」に。

大学時代の4年間は図書館でアルバイトをしていました。

本に囲まれているのが好きで、本やインクの匂いまで好きでした(笑)

その後、教員になってからは、半分趣味で司書教諭の免許取得を目指していた時期もあります。

たしか、あと一つ講義を受ければ取れるはず……。

という余談はさておき。

私はあまり小説を読むタイプではないのですが、学術書や専門書、新書を読むのはかなり好きです。

最近は本を読む時間が以前より減ってしまっていたので、これから備忘録も兼ねて、読書を通じて感じたこと、考えたことを少しずつ残していこうと思います。


■皆さんは、どれくらい本を読みますか?

今ではネットやSNSから情報を得ることの方が多い、という方も少なくないと思います。

もちろん私もその一人です。

「iPadやPCで読めば十分じゃん!」

そんな意見もあって当然ですが、その話は今日は置いておいて……。

今回考えたのは、「犯罪学」と「保護司」についてです。


■ 犯罪の「その後」をどう考えるのか

犯罪をどう防ぐのか。

そして、犯罪が起きてしまった後、被害に遭われた方やそのご家族をどう支えるのか。

さらに、罪を犯した人が刑を終えた後、もう一度社会の中で生活していくためには何が必要なのか。

犯罪について考えると、警察、検察官、弁護士、刑務官など、さまざまな専門職が思い浮かびます。

でも、その人が社会に戻った後まで考えてみると、それだけではありません。


仕事に就けるのか。

住む場所を確保できるのか。

必要な医療や福祉につながれるのか。

家族や周囲の人との関係をどうしていくのか。


犯罪を繰り返してしまう背景を、一つの理由で説明することはできません。

経済的な困窮や孤立、住居や仕事の問題、障害や依存など、さまざまな事情が重なっている場合もあります。

そして、社会復帰を考える一方で、犯罪によって傷ついた被害者やそのご家族への支援を忘れることもできません。

犯罪について考えることは、「犯罪をした人をどうするか」だけの話ではないのだと思います。


■  「保護司」という存在

そこで今回、初めてきちんと考えてみたのが「保護司」という存在です。

保護司は、法務大臣から委嘱される非常勤の国家公務員です。

ただし給与は支給されず、地域のボランティアとして活動しています。


専門職である保護観察官と協働しながら、犯罪をした人や非行のある少年の立ち直りを地域で支えています。

保護観察では、面接などを通じて生活状況を把握し、必要な指導を行うほか、自立した生活ができるよう、住居の確保や就職などの援助にも関わります。

私はたまたま、実際に保護司をされている方からお話を伺う機会があり、この制度について知りました。

そこで最初に感じたのは、

「地域の中で、人のやり直しを支える仕組みなんだな」

ということでした。


■ 保護司は45,033人――減り続ける担い手

ところが、少し調べてみると、それだけでは済まないことも分かってきました。

ちょうどこの文章を書いていた2026年9月14日、保護司についての記事が目に留まりました。


2026年1月1日時点の保護司は全国で45,033人。


前年の46,043人から、1年間で1,010人減少しています。

保護司の定数は52,500人を超えないものとされていますが、実際の人数は長期的に減少しています。

さらに高齢化も進んでいます。

地域の中で人の立ち直りを支えてきた制度が、今、担い手の減少と高齢化という大きな問題に直面しています。


■ 保護司を「支える」ことも必要になっている

さらに、忘れてはいけないのが、保護司自身の安全です。

2024年5月には滋賀県大津市で保護司が自宅で殺害され、その保護司が担当していた保護観察対象者が殺人容疑で逮捕される事件が起きました。

この事件などを受け、国も保護司の安全対策を進めています。


自宅以外で面接できる場所を確保すること。

複数の保護司で担当すること。

再犯リスクに応じて保護観察官の関与を強めること。

「支援を受ける人をどう支えるか」と同時に、「支える人をどう支えるか」も問われています。

さらに2025年12月には、「更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律」が成立・公布されました。

改正法には、保護司の安全確保に関する国の責務を新たに定めること、現在2年の任期を3年へ延長すること、自治体などとの協力を強化することなどが盛り込まれています。

なお、主要な規定は、一部を除き、公布から1年以内の政令で定める日から施行されることになっています。


■ 「地域で支える」は、本当にそれだけでいいのだろうか

ここまで調べてみると、私が最初に感じた、

「地域の人が、地域の中で誰かのやり直しを支える仕組みっていいな」

だけでは済まないことにも気づきます。

地域を知る人だからこそ、できることもある。

専門職ではない地域の人だからこそ、築ける関係もあるのかもしれません。


一方で、更生保護は国の刑事政策でもあります。

その一端を、給与を受けない地域のボランティアがこれほど担っていることを、どう考えればよいのでしょうか。

担い手が減り、高齢化も進み、安全面の課題もあるなかで、どこまで地域の善意に委ねてよいのか。

逆に、すべてを専門職だけで担えばよいのか。

簡単には答えが出ません。


そして、罪を犯した人の「やり直し」を考えるときには、犯罪によって傷ついた被害者やそのご家族の存在も忘れることはできません。

「加害者を支援するか、被害者を支援するか」という単純な二者択一ではなく、どうすれば新たな犯罪や被害を減らし、一人ひとりが安心して暮らせる社会に近づけるのか。


私自身、これまでこの分野の政策課題について深く向き合う機会はほとんどありませんでした。

だからこそ、今回の読書を入口に、もう少し知りたいと思っています。


■『丸ちゃん教授のツミナハナシ 市民のための犯罪学』

今回読んだのは、現役の保護司の方から紹介していただいた、

という本。

丸山泰弘さんの編著、南口芙美さん、山口裕貴さんの著作で、2026年に現代人文社から刊行されました。


映画など身近な作品を入り口にしながら、犯罪や刑罰、社会復帰など、さまざまなテーマについて考えることができ、大変勉強になりました。

犯罪学というと、少し遠い世界の専門分野のようにも聞こえます。

でも読んでみると、

「人はなぜ犯罪を犯すのか」

「刑罰は何のためにあるのか」

「刑を終えた人と社会はどう向き合うのか」

「犯罪を繰り返さないために何が必要なのか」

という、私たちの社会や暮らしそのものに関わる問いでもあるのだと思いました。


■今回の読書で残った問い

今回、私に残った問いは、

「地域で人の『やり直し』を支えるということを、これからの社会でどうつくっていけばいいのだろう?」

ということです。

まだ私にも答えはありません。


地域のボランティアである保護司と、専門職である保護観察官は、これからどのような役割分担をしていくべきなのか。

被害者への支援と、犯罪をした人の社会復帰をどう考えていくのか。

そして、地域社会はどこまで関わるべきなのか。

本を読みながら、現場のお話も聞きながら、そして資料も調べながら、もう少し考えてみたいと思います。

皆さんは「保護司」という制度、知っていましたか?


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【今回読んだ本】

丸山泰弘 編著/南口芙美・山口裕貴 著 現代人文社(2026年)


【参考情報】

■ 法務省


【参考記事】


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『丸ちゃん教授のツミナハナシ――市民のための犯罪学』の表紙。丸山泰弘編著、南口芙美・山口裕貴著、現代人文社。
今回読んだ『丸ちゃん教授のツミナハナシ――市民のための犯罪学』。現役の保護司の方から紹介していただいたことをきっかけに、犯罪学や更生保護について改めて考えてみました。

 
 
 

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